プログラミング言語の中でもよく混同されがちなJavaとJavaScript。名前は似ていますが、その中身や用途、動作環境はまったく異なるものです。本記事では、JavaとJavaScriptの違いについて初心者の方にもわかりやすく解説し、どんな場面でどちらの言語が使われているのか、選び方のポイントまでご紹介します。
Javaとは?
Javaは1995年に登場したオブジェクト指向型の汎用プログラミング言語です。「一度書けば、どこでも動く(Write Once, Run Anywhere)」をコンセプトに、さまざまなプラットフォームで利用できるのが特徴です。
Javaの主な特徴
- 静的型付け言語(変数の型を明示)
- JVM(Java Virtual Machine)上で動作
- 大規模な業務システムやAndroidアプリ開発に使われる
- コンパイルしてバイトコードに変換
- 高いパフォーマンスと安定性
金融システムや企業向けの業務アプリ、Androidスマートフォン向けのアプリ開発で特に多く利用されています。
JavaScriptとは?
JavaScriptは1995年にNetscapeによって開発されたスクリプト言語で、主にWebブラウザ上で動作するクライアントサイドのプログラムに利用されます。現在ではNode.jsの登場により、サーバーサイドでも利用されています。
JavaScriptの主な特徴
- 動的型付け言語(実行時に型が決まる)
- Webブラウザ内で直接実行可能
- 主にWebサイトの動的なUI実装に使われる
- インタプリタ型で、コンパイル不要
- HTMLやCSSとの連携が容易
フォームの入力チェックやアニメーション、シングルページアプリケーション(SPA)の構築など、Web開発には欠かせない存在です。
JavaとJavaScriptの違いを比較表でチェック
項目 | Java | JavaScript |
---|---|---|
言語の種類 | 汎用プログラミング言語 | スクリプト言語 |
動作環境 | JVM(Java仮想マシン) | Webブラウザ、Node.js |
主な用途 | 業務アプリ、Androidアプリ | Webサイトの動的処理 |
型の扱い | 静的型付け | 動的型付け |
実行方法 | コンパイル後に実行 | ソースコードをそのまま実行(インタプリタ) |
人気のフレームワーク | Spring, Hibernateなど | React, Vue.js, Angularなど |
難易度 | 比較的高め(大規模開発向け) | 習得しやすい(Web開発に最適) |
名前が似ている理由
実は、JavaScriptという名前はマーケティング戦略の一環でJavaにあやかって名付けられたもので、言語としての直接的な関係はありません。JavaScriptの元々の名称は「LiveScript」でした。
それぞれの言語が使われる具体的な場面
Javaが使われる場面
- 大規模な業務システム(基幹系・会計システムなど)
- Androidスマートフォンアプリ
- 銀行や証券会社のシステム
- IoTデバイス、組み込みシステム
JavaScriptが使われる場面
- Webページの動的処理(メニューの開閉、フォームの検証など)
- フロントエンド開発(SPA、PWAなど)
- Node.jsを使ったサーバーサイド処理
- Electronを使ったデスクトップアプリ
初心者におすすめなのはどっち?
初心者がこれからプログラミングを始める場合、学習目的やゴールによっておすすめの言語が変わります。
- Webサイトを作りたい → JavaScript
- 企業向けの安定した業務アプリを作りたい → Java
- アプリ開発に挑戦したい → Java(Android) or JavaScript(React Native)
まとめ:JavaとJavaScriptはまったく別物!
- Java:大規模・高信頼性・汎用性の高い言語
- JavaScript:Web開発に欠かせない軽量なスクリプト言語
名前が似ているため混同されがちですが、JavaとJavaScriptは設計思想も用途も異なるまったく別の言語です。用途や目標に応じて、適切な言語を選択することがプログラミング学習・開発の第一歩になります。