「API」と「Webサービス」、どちらもITの世界では頻繁に登場する用語ですが、初心者にとっては違いがわかりづらいものです。
どちらも“機能を提供する仕組み”ですが、その役割や使い方は大きく異なります。
本記事では、APIとWebサービスの基本的な違いを初心者向けにわかりやすく解説し、それぞれの活用シーンや連携の考え方についても丁寧にご紹介します。
APIとは?アプリをつなぐ「窓口」
APIはApplication Programming Interfaceの略で、直訳すると「アプリケーション同士のやり取りを仲介する窓口」のような存在です。
APIの定義と役割
- あるシステムが、他のアプリケーションに機能やデータを提供するための仕組み
- ユーザーが直接操作するのではなく、プログラム同士が通信する
- 機能を再利用・共有できるので、開発効率が大幅にアップ
例えば、Google Mapsの地図を自分のWebアプリに表示したいとき、Googleが提供するAPIを使えば、自社で地図機能を開発しなくても利用できます。
Webサービスとは?ユーザーが操作する「サービスそのもの」
一方、Webサービスとは、インターネットを通じてユーザーに提供されるサービスのことを指します。
Gmail、Amazon、Twitter、YouTubeなどはすべてWebサービスの代表例です。
Webサービスの特徴
- インターネット上で利用できるサービス全般
- Webブラウザやアプリからアクセス
- ユーザーがインターフェース(UI)を通じて操作
- 裏側ではAPIが動いていることが多い
つまり、Webサービスは人が使うための仕組みであり、APIは機械が使うための接続口と考えるとわかりやすいでしょう。
APIとWebサービスの違いを比較表でチェック!
項目 | API | Webサービス |
---|---|---|
定義 | 機能を提供する「窓口」 | インターネット経由で提供されるサービス全体 |
利用者 | 開発者・システム | 一般ユーザー |
操作方法 | プログラム同士で通信(JSON/XMLなど) | ブラウザやアプリから操作 |
例 | Google Maps API、Twitter API | Google Maps、TwitterのWebページ |
役割 | 機能やデータの提供 | サービスそのもの |
APIとWebサービスの関係性
実はAPIとWebサービスは、相互に連携していることが非常に多いです。
多くのWebサービスの裏側では、APIがさまざまなデータや処理を担っています。
たとえば…
- 天気予報サイト(Webサービス)がAPIを使って外部の気象データを取得
- ECサイトが決済サービスのAPIを使ってクレジットカード処理を行う
- アプリがSNSのAPIを使ってログイン情報を連携する
このように、WebサービスとAPIは切っても切れない関係にあるのです。
APIとWebサービスを使いこなすメリット
APIの活用メリット
- 自社開発の工数を減らせる
- 高品質な外部機能を自社サービスに導入できる
- 複数のシステムを連携させやすい
Webサービスの活用メリット
- インストール不要でどこでも使える
- 自動アップデートによる常に最新の機能
- ユーザー数をスケールしやすい
実際の活用事例
APIの事例
- Slack API:自動投稿やボット連携が可能
- PayPay API:決済システムを自社アプリに導入
- Google Maps API:地図情報をアプリに表示
Webサービスの事例
- ChatGPT:自然言語でAIと対話できるWebサービス
- Dropbox:クラウドストレージとして世界中で利用
- Notion:ドキュメントやタスクをWeb上で管理
まとめ:APIとWebサービスは「目的」が違う!
- API:開発者向け、機能やデータを他システムに提供する
- Webサービス:エンドユーザー向け、機能を利用するための完成されたサービス
- APIはWebサービスを支える裏方、Webサービスはユーザーに価値を提供する表舞台
両者の違いを正しく理解することで、より柔軟なシステム構築や効果的なサービス運用が可能になります。
今後Web開発やサービス運営に関わる方は、ぜひAPIとWebサービスの違いと関係性をしっかり押さえておきましょう!