プログラミングを始めたばかりの人や、チーム開発に参加したいと考えている方が最初にぶつかるのが、「GitとGitHubの違い」という疑問です。
名前が似ていて混同されがちですが、実際には全く異なる役割を持っています。
本記事では、GitとGitHubの基本的な機能や役割、違い、連携方法について、初心者にもわかりやすく解説します。
チーム開発やソースコード管理に欠かせないこれらのツールをしっかり理解しましょう。
Gitの基本情報
Gitはソースコードやファイルのバージョン管理システムです。
ソフトウェアの開発履歴を記録し、変更の追跡、過去の状態への復元、共同作業を可能にします。
主な特徴
- ローカル環境で動作する分散型バージョン管理
- ブランチやマージによる柔軟な開発フロー
- 過去の履歴を保持し、いつでも復元可能
- インターネット接続がなくても使える
GitはLinuxの開発者であるリーナス・トーバルズ氏によって2005年に開発され、現在では世界中の開発現場で標準的に使われています。
GitHubの基本情報
GitHubは、Gitのリポジトリをクラウド上でホスティングするWebサービスです。
Gitで管理しているコードをインターネット上に保存し、チームで共有・コラボレーションが可能になります。
主な特徴
- リモートリポジトリのホスティング機能
- Pull Request機能でコードレビューを簡単に
- Issue管理、Wiki、プロジェクト管理などの開発支援機能
- 無料で公開リポジトリを利用できる(プライベートも有料・一部無料)
GitHubはアメリカのGitHub社によって運営されており、2018年にMicrosoftに買収されました。現在では世界最大級の開発者プラットフォームです。
GitとGitHubの違いを一覧で比較
比較項目 | Git | GitHub |
---|---|---|
種類 | ソフトウェア(バージョン管理ツール) | Webサービス(Gitのホスティング) |
提供元 | オープンソース | GitHub社(Microsoft傘下) |
動作環境 | ローカル(オフライン可) | クラウド(インターネット必要) |
機能 | 変更履歴の管理、ブランチ作成、マージなど | リポジトリ共有、プルリク、コラボレーション支援 |
単体で利用可能か | 可能(ローカル開発に最適) | Gitがなければ使えない |
代表的なコマンド | git init / add / commit / branch / merge | push / pull / fork / pull request(Web操作) |
Gitの活用シーン
Gitはあらゆる開発現場で使用されています。チーム開発に限らず、個人開発でも非常に役立つツールです。
具体的な活用例
- ソフトウェア開発のソースコード管理
- デザインファイルのバージョン管理(非推奨な場合も)
- 文章・ドキュメントの履歴追跡
- CI/CDパイプラインの一部としての活用
Gitの強みは、過去の履歴を正確に残せることと、ブランチによる分岐開発が容易な点です。
大規模プロジェクトやOSS(オープンソースソフトウェア)の開発には欠かせない存在です。
GitHubの活用シーン
GitHubはチームや複数人での開発において、その利便性を大きく発揮します。インターネットを介してコードの共有・レビュー・管理が行えます。
具体的な活用例
- チーム開発におけるコードのバージョン共有
- オープンソースプロジェクトの公開・コラボレーション
- コードレビュー・テスト・ドキュメント管理
- 開発プロセスのタスク管理(Issues, Projects)
GitHubは単なるコード保管場所ではなく、開発全体を支援するプラットフォームとしての機能を備えています。
GitとGitHubの連携方法
GitとGitHubは連携して使うことで、開発効率を飛躍的に向上させることができます。
ローカルでGitを操作し、その結果をGitHub上に反映させるのが一般的な使い方です。
基本的な流れ
- ローカルでGitリポジトリを作成(
git init
) - ファイルを追加してコミット(
git add
、git commit
) - GitHub上でリポジトリを作成
- リモートを登録(
git remote add origin URL
) - GitHubへプッシュ(
git push -u origin main
)
このようにGitをローカルで操作し、GitHubを「クラウド上の保管場所」として活用するのが基本スタイルです。
まとめ
GitとGitHubは名前が似ていますが、全く異なるツールです。
Gitはローカルで履歴を管理する仕組み、GitHubはそれをクラウド上で共有・管理するプラットフォームです。
現代のソフトウェア開発では、この2つを連携させることが一般的です。しっかりと違いを理解し、使い分けることで、個人開発もチーム開発も格段に効率化できます。